主婦の暮らし

【家じまい】親が実家を売った体験談

こんにちは。
アラフォー専業主婦のCoccaです。

現在私は、夫とふたり東京で暮らしています。

生まれも育ちも東京なので、親や兄弟たちもみんな電車で30分ぐらいのところに住んでいて、そこまで頻繁に会うことはなくても、何かあったときにはお互いがすぐにかけつけられる場所に家族がいるというのはどこか安心感がありました。

ですが昨年、その中心部分である実家が突然なくなりました

本当にビックリ

あれから時間が経ち、ようやくドタバタが落ち着いてきたので、今回は「親が突然実家を売却した体験談」について書いてみたいと思います。

当時の実家の状況

まず書いておかなければならないのは、そのときの実家の状況です。

実家は東京23区内にある一戸建て。

じつは…

うちは両親が離婚しているため、当時実家に住んでいたのは私の母親ひとりだけでした。
母は60代で、ありがたいことにとても元気です。
私をはじめ、子どもたち(私の兄弟たち)はすでに自立して実家を出ていました。

母はとにかく仕事が好きな人で、23歳から正社員として会社に勤務し、60歳で定年退職をむかえたあとも、再雇用制度を利用して業務委託(?)のようなかたちで同じ職場で働き続けていました。
その契約も無事に終了したため、ようやく一昨年、仕事人生に幕がおろされたのです。

そして母は突然行動を起こしました

実家がなくなった流れ

ことのはじまりは母から私に送られてきた1通のLINEでした。

「ひな人形、まだいる?」

私が生まれたときに祖父母から買ってもらったひな人形は実家の収納部屋に保管されていました。

七段飾りのものだったので、私がいま住んでいるマンションの収納スペースには到底納まりきらないので、実家に残したままになっていたのです。

以下、LINEのやりとりが続きます。

私「どうして?」
母「いらないなら処分しようと思って」
私「急にどうしたの?」
母「家、売ることにした」
私「!」

 

どうですか? あまりに突然すぎませんか?(笑)

本当になんの相談もなく、匂わせることもなく、母は実家を売却することを決めていたのです。

とても驚いたのですが、できるだけ冷静になって頭の中を整理しました。

  • もしかしたら、長男(私の兄弟)と一緒に住むことにしたのかな?
  • それとも、新しいパートナーができたのかな?

 

まず浮かんだのはその二点です。

長男はすでに結婚して子供もいて、マンションも購入済みです。
可能性としては低いですがゼロではありません。

パートナーに関しては、母も独身女性なので可能性はなきにしもあらず。

どちらにしても何か特別な事情があるのだと思い、LINEを続けました。

私「家売ってどうするの?」
母「ひとり用のマンションに引越す」
私「!」

 

誰かと住む線は完全になくなりました。

このあと慌てて母に電話をして詳しい話を聞いたのですが、とくに何か大きな事情があったわけではありませんでした。

強いていえば、母は「家じまい」をすることを決意し、着々と実行に移していたのです。

すべて事後報告で…

母が「家じまい」を決めた理由

今回、母が実家を売却することにした理由については、つぎのことがあげられました。

①仕事人生が終わった

40年以上におよぶ仕事人生が終了したことで、ようやく自分自身の人生を振り返る時間が持てたようです。

同時に今後の生き方についても考え、「家を売ろう」という気持ちがかたまったとのこと。

第二の人生を新しい場所からスタートさせたかったのかもしれません。

②子どもたちが巣立った

仕事と同様に、子育てからの卒業も理由のひとつだと思います。

母がひとりで住むにはやはり一軒家は広すぎます。

子どもたちが全員実家を出たことで、からっぽになった子供部屋をそのままにしておくのもどうかと思っていたらしく…

長男が、「いずれ同居も考えていたのに」と伝えたところ、「それは絶対にイヤ」と笑っていたので寂しいわけではなさそうです(笑)

③愛犬の旅立ち

実家で飼っていた愛犬が、昨年15歳で天国に旅立ったのも母の背中を押した出来事だったようです。

たとえばお気に入りのお散歩コースがあったり、犬友がいたり、お世話になっている獣医さんが近所にいたりしたので、その子が元気なうちはこの街にいようと思っていたとのこと。

④老いに対する準備

一軒家は何かと管理が大変ですよね。

ひとり暮らしで男手もないので、いまはよくても5年後10年後のことを考えたら、元気なうちに管理体制の整ったマンションに引っ越しておいたほうがいいと判断したようです。

からだが衰えると、簡単な掃除だけでもしんどくなってくるので、そのあたりも考慮してひとりで暮らしやすい間取りの部屋を選んだそう。

階段の上り下りだけでも大変になると聞くのでじつは私もひそかに心配はしていました。

⑤モノを減らしておきたい

ひな人形もそうですが、実家にあるおびただしい量のモノを見ているうちに、そろそろ本格的に断捨離をしなくてはいけない…と思ったようです。

ひとり用のマンションに引っ越すとなれば、否応なくモノは減らさなくてはなりません。
老後は身軽でいたいと日頃から言っていたので、引越しを機に身辺整理ができて母は満足そうでした。

結果、私が実家に置かせてもらっていた荷物も、相当数を断捨離することに。
強制的な断捨離ではありましたが、捨ててみると気分爽快。
母の気持ちが少し理解できました。

「家じまい」後の新居のこと

こうして母は実家を売却しました。

そして、ひとりで住むための1LDKのマンションを購入。

住宅ローンは組まずに(すでに退職済みなので)、実家を売却した資金で一括払いしたそうです。

ここまでのことを、母はすべてひとりで決めて、ひとりで行動に移していました。

不動産関係のことは仕事をしていたときに得た人脈をフル活用したようです。

長男から、「なんで先に言わないの?」ととがめられたときも、「賛成されても反対されてもどうせ結果は変わらないから、全部終わってから言えばいいと思ってた」と平然と答えていて、子どもたちは一同唖然。

実家を売却して得たお金・退職金・貯金・年金とで、マンション購入費用を含めた今後の生活費もすべてまかなえると言い張るので、私たちもなかなか口がはさみづらいのもたしか。

たとえば、「頭金を援助してほしい」とお願いされたら、こちらも意見を伝えやすいのですが、母の場合は自分ですべてやると言っているのでなかなか手ごわい…

実際に事後報告だったので、子どもたちは皆、納得せざるを得ませんでした。

のちに兄弟会議を開いて、母の今後について話し合いましたが、「好きにやらせるしかない」という意見で一致。
当面はあたたかく見守りましょうということになりました。

今回の騒動での救いは、母自身が引越し先のマンションをとても気に入っていることです。
本当にシンプルな造りの部屋なので、「不便じゃない?」と聞いてみたのですが、母は満足そうでした。

じつは私も少しうらやましかったです

まとめ

正直、実家がなくなるのは精神的にこたえました。

もちろん寂しさもありますし、いざというときに戻れる実家があるのは心の支えにもなっていました。

もし私が今後離婚するようなことがあっても、もう帰れる場所はありません。

…不安

ですが母の晴れやかな顔を見ていると、いい選択ができたのかなとも思えるようになりました。

1LDKのマンションは、遊びに行っても「実家」という感じはまったくせず、「母の家」という感じですが、それもまた素敵なことなのかもしれません。

ただ…事前に相談はしてほしかったです 笑