こんにちは。
アラフォー専業主婦のCoccaです。
ノートが大好きで、さらに「ノート術」などのたぐいに目のない私にとって最近気になっていた1冊が前田裕二さんの『メモの魔力』です。
前田さんといえば、SHOWROOM株式会社の代表取締役社長として、若い世代からも絶大な支持を得ているいま話題の経営者ですよね。
1987年東京生まれ。
「8歳で両親を亡くし、小学生のときから路上で語り弾きをしてお金を稼いでいた」
という生い立ちもセンセーショナル。
今日は、そんな前田裕二さんの『メモの魔力』を読んだ感想をまとめてみたいと思います。
前田裕二さん『メモの魔力』概要&感想
以下、ネタバレもありますのでご注意ください。
『メモの魔力』概要
自他ともに認める「メモ魔」の前田裕二さんが、「メモすることの大切さ」についてとにかく熱く語りつくした一冊です。
「メモの書き方」や「ノートの使い方」について、具体的な方法を提示しているのはもちろんなのですが、前田さんが伝えようとしているのはその先にある「考えることの大切さ」と「気づきを自分の人生に落とし込む必要性」です。
目指すべき場所にたどりつくまでの指針としてメモを書くことを推奨しています。
つまり、「記録のためのメモ」ではなく、「思考を深めるためのメモ」をいかにして人生に活用していくかということの重要性を説いているのです。
ちなみにこちらは私が実際に使っている「読書用のノート」と「映画観賞用のノート」。
この2冊に書いているのはタイトルや作者、出演者など、最低限の情報だけ。
つまり前田さんがいうところの「記録のためのメモ」です。
『メモの魔力』ではこの「記録のためのメモ」は重要視されていません。
あくまでも「知的生産のためのメモ」にスポットをあてているのです。
お気に入りのノートですが、ダメな例として載せておきます(笑)
『メモの魔力』のポイントは以下の3点。
①インプットした「ファクト」をもとに、
②気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、
③自らのアクションに「転用」する。
これについては私が説明するのも野暮なので、気になる方はぜひ本書を手に取って読んでみていただければと思います。
言葉だけを並べてみると、「メモ術」としてかなり難易度の高い印象になってしまいますが、ひとつひとつの説明がこれでもかというぐらいていねいに書いてあるので、私個人の感想としては、とても読みやすい1冊でした。
ちなみに前田さんは、映画を観たり本を読んだりするときにも気づいたことなどを事細かにメモするそうなのですが、上記の3点がしっかり構築されているので、1冊の本について、「3分で話す」ことも「30分で話す」ことも「1時間で話す」こともできるとのこと。
前田裕二さんは「例え上手」
この本を読んで感じたのは、前田さんはとにかく「例え話」が上手だなということです。
本文にも『例えば…』という文言がよく出てくるのですが、そのエピソードをひとつとってみても読者をグッとひきつけるパワーを持っています。
- 大阪のおばちゃんの行動から見えてきたビジネスアイデア
- ハロウィンで多発するトラブルの「やばさ」を考察する多角的な視点
- アイドルに無関心な人にアイドルの話をしなければならないときの会話テクニック
- 「スナック 京都」からヒントを得たネーミング法 など
これらを具体的なエピソードをまじえつつわかりやすく説明しています。
とくにご自身の経験から書かれているお話はさすがの説得力。
(第1章から第3章までが素晴らしかったです)
ちなみに、もし読書が苦手で、この本を途中で読むのをやめようと思っている方がいたとしたら、最後に終章だけ読んでから本を閉じることをおすすめします。
『メモの魔力』の残念だったところ
これは仕方がないことなのですが…
『メモの魔力』では前田さんが実際に書いた手書きのメモがあまり掲載されていません。
正確にいうと2ヵ所だけ公開されているのですが…少し物足りませんでした(泣)
まず、第1章に見開き1ページで載っているものがあるのですが、これは読者に対して、「ノートの書き方」を説明するために紹介されているもので(いわばテキストのようなもの)、読んでいて非常にタメにはなるのですが、メモとしてのリアルが感じられず・・・
もう1ヵ所は第3章で、こちらは「幼少期に苦しかった体験」「中学校時代に一番影響を受けた人」についての手書きのメモが掲載されています。
こちらもさきほどと同様、読み物としては百点満点なのですが、やはりもっと見たいという気持ちが強くなってしまいました。
ですが、本文でここまで「メモ」への情熱を吐露してしまうと、「前田さんは普段どれだけすごいことを書いているんだろう」と読者が勝手にハードルを上げてしまうので、実際のメモを公開したところできっと誰も得をしないんですよね。
…と思ってカバーをはずしてみたら、前田さんの直筆だと思われるメモ書きがぎっしり並んでいるデザインになっていました。
文字がかなり細かいので内容はまったくわかりませんでしたが、熱い雰囲気がひしひしと伝わってきて、そうそうこの感じ!とワクワクした気持ちになりました。
結果的に、著者も読者もどちらも得をするようなさすがの作りになっているのです。
読書のおともはモンシェールの「パルフェ・ショコラキャラメル」
小休止して読書のおともを紹介します。
モンシェールの『パルフェ・ショコラキャラメル』です。
まるでおもちゃのようにかわいいビジュアル。
そしてとにかく甘い(笑)
頭を使う読書をしたときはこれぐらいの甘さが欲しくなるものですよね。
まとめ
世の中には、他の人には見えていない遠くのものが見えてしまう人がいます(霊的な意味ではなく)。
見えている人が見えていない人に見えているもののことを説明し、理解してもらうのはとてもむずかしくて、しんどくて、もどかしい気持ちになることも多いはず。
なかには理解してもらうこと自体あきらめて沈黙することを決めた人もいるでしょう。
前田裕二さんはおそらく見えている人です。
そして、見えているものを説明し、伝えることを諦めない人だと思います。
『メモの魔力』は前田さんのそんな生きる姿勢と強さを感じた1冊でした。
『なぜ流れ星を見た瞬間に願いを唱えると夢がかなうのか(中略)流れ星を見た一瞬ですら瞬間的に言葉が出てくるくらいの強烈な夢への想いを持っているからです』
素敵な一節だと思いました。